
新人ホストに襲いかかる壁。「最近、指名入ってる?」
何気ない一言のように聞こえた。だが、国見の心には重くのしかかった。
ホストとして数週間が経ち、日々の流れには慣れてきた。
それでも──売上という現実だけは、どこか遠い話のようだった。
ホスト 新人 壁にぶつかる“見えない評価”
隣の席では、同時期に入った新人が笑顔でお客様と乾杯していた。
軽快なトーク、タイミングのいいツッコミ、そして何より“空気”が作れていた。
一方の国見は、笑っていても心が追いつかない。
「キャラが弱い」「トークが薄い」「印象に残らない」
そんな言葉が、耳元でささやかれているようだった。
だからこそ、“壁”を意識し始めた。
誰も明確には言わない。けれど、売れるホストと売れないホストの差が、確実に存在する。
「俺、なにか間違ってるのか──?」
そう思いながらも、答えが出ない夜が続いた。
ホスト 新人 壁を越えるために必要な“視点”とは
ある日、休憩中にふとした話が聞こえてきた。
「〇〇って新人、裏でバックついてんだって」
何気なく流された噂話。だが、国見の心はざわついた。
「俺には……何もないのに」
そんな時だった。ロッカー室でふと、東條とすれ違った。
東條は黙って、国見の顔を一瞥した。
「お前が潰れたら、そっち(表)側、困るんだよ」
皮肉にも、励ましにも聞こえた。だが確かに、自分は“見られて”いた。
「ホストって、誰に評価されるかで決まるんだな」
そう気づいた瞬間、国見はふっと笑った。
見えない“壁”を越えるには、誰が見てくれているかを知ることなのかもしれない。
夜の世界は、単純じゃない。だが──まだ終わりじゃない。
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