ホスト 新人 存在感|名前すら残せない【絆 第9話】

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ホスト 新人 存在

ホスト新人その存在に悩む夜。

「……さっきのお客、俺の名前、一度も呼ばなかったな」

国見は、店の休憩室で呟いた。

緊張の初日を越え、ようやく席に呼ばれるようになったものの、
会話の中で自分の“名前”が登場することはほとんどなかった。

笑って、相槌を打って、お酒を作る。
それでも──そこに“国見”はいなかった。

「存在していなかったみたいだった」

呼ばれない名前は、存在しないことと同じ。
新人ホストの現実は、静かに心を削っていく。

しかし、逃げ出すことは簡単だった。
それでも彼は、その夜もスーツに袖を通す。

なぜなら──“誰かの隣にいるだけ”から、
“指名される存在”になることが、目標だったから。

名前のない裏社会と、東條の孤独

一方、組織の片隅。
東條は血のにじむ拳を洗い流していた。

「名乗るな」と言われる立場。
組織において、“名前を持つこと”は責任とリスクの象徴だった。

だからこそ、誰にも“東條”と呼ばれずに済むこの環境は──
安全である反面、圧倒的に孤独だった。

「存在感がない方が、生きやすい。だが、それは……生きてると言えるのか?」

誰にも名前を呼ばれず、誰からも覚えられない日々。
それでも彼は、組織の下っ端として、黙々と“汚れ仕事”をこなしていた。

ただ一人、国見という名前を知っていることが、彼を繋ぎ止めていた。

新人が存在を刻むために──名を持つ者たちの決意

夜明け前、歌舞伎町の空気が変わり始めた頃。
国見は閉店後の店の窓際に立ち、街を見下ろしていた。

「次こそ、名前で呼ばせてみせる」
その言葉に、誰も答えなかった。だが、彼の目は揺るがなかった。

その頃、どこかの雑居ビルの一室で、東條は再び拳を握っていた。

「“名乗る資格”を奪われたまま、生きてたまるかよ」

彼らの距離は遠い。だが、想いは交差している。

“名を持たないこと”に苦しんだふたりが、
いつか、この夜の街で――“名を刻む”。

それはまだ遠い話。
だが、この夜が、その始まりだった。

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新人ホストがその存在を変える第一歩とは?

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