ホスト 下積み ― 最底辺、それでも目指す場所がある【絆 第2話】

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ホスト 下積み

ホストの下積み。それは夢を語る場所ではなく、何も語らずに耐える場所だ。

国見が最初に働いたのは、歌舞伎町のはずれにある雑居ビルのバーだった。
看板もなく、もちろん昼間は鍵さえ閉まっている。

「ここ、ホストクラブじゃないよ。バーだよ」

そう言ったマスターは、酒より煙草の匂いの方が濃いような男で、
カウンターで寝たまま朝を迎えるのが常だった。

給料は出ない。あるのは、寝床と皿洗いだけ。

しかし国見は、この環境を「チャンス」と考えた。

「ホストになりたいなら、酒を知ることから始めろ」
そんな誰の言葉でもない言い訳を、胸の中で繰り返す。

ホスト下積みの日々と、裏社会での試練

一方で東條は、裏社会の下っ端として雑巾を持っていた。
もちろん組の名前も教えられず、何も知らぬまま床を磨かされていた。

「お前、誰の紹介で来たんだ?」
「……聞くなって言われました」

そんな返事しかできない東條に対し、先輩は鼻で笑い、
さらに、そのままバケツの水を蹴った。

だが、東條は下を向かなかった。

「上に立つには、まず下を知れ」
そんな教科書的なセリフすら誰も教えてくれない。

だからこそ、彼は黙ってやるしかなかった。

ホストの下積みも、裏社会の下積みも、
要するに“雑用と無視”の連続だ。

しかし、だからこそ燃える。
何かに屈するたび、あの夜の“誓い”が頭をよぎる。

国見は、皿の音が止んだ夜中の厨房でつぶやいた。

「……ここで終わってたまるかよ」

その頃、東條は手の皮がむけた指で雑巾を絞っていた。

「次に床が乾くまでに、俺は上に行く」

連絡を取っているわけではない。
だが、不思議と“同期している”感覚があった。

今、どちらかが倒れてしまえば、もう二度と並べない。

――ホストの下積み、裏社会の下積み。
どちらも、選ばれた者しか生き残れない。

だが二人は、それぞれの“持ち場”で、
必ず成り上がると決めていた。

それがあの夜、コイン一枚で交わした“誓い”だった。

この作品が漫画化されました!ぜひそちらもお楽しみください!

ホスト漫画ドットコム  絆-Kizuna-誓いという名の掟

第2話「ホスト 下積み 最底辺、それでも目指す場所がある」

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