
ホストと裏社会のはざまで交わされた“誓い”
この物語は、ホストと裏社会に生きる二人の男が交わした“誓い”から始まる。
街の明かりは、ここまで届かない。郊外の市営団地、13号棟の4階。
蛍光灯が点滅する廊下の先で、二人の少年が黙って立っていた。
団地の夜が生んだ、決して破れぬ掟
東條。無口で目つきが鋭い、15歳。
国見。人懐っこいが、どこか諦めの早い14歳。
ふたりは団地育ちの幼なじみ――いや、共犯者だった。
「もうここじゃ、生きてても腐るだけだろ」
その一言に、すべてが詰まっていた。
いつもなら、国見は冗談混じりに話すタイプだった。
しかし今夜ばかりは違う。
さらに声が乾いていた。そして、目の奥が揺れていた。
東條は答えなかった。
その代わりに、ポケットから500円玉を取り出す。
実はそれは、数日前に街で拾ったものだった。
「……表が出たら、オレが表をやる。裏が出たら、お前が表を張れ」
意味も確認せず、国見はうなずく。
なぜなら、互いにすでに心の中で答えは出ていたのだ。
ホストの“誓い”が導いた運命の分岐点
その“表”が何を意味するか、
“裏”に何が待っているかなんて、知ってるわけがない。
ただ、どちらかが表に立ち、もう一人が裏から支える。
ホストの世界も、裏社会も、そうやって動いている。
この腐った街に、自分たちの居場所を作るために。
ヒュッ、と風が吹いた。
コインが空に放たれ、街灯の明かりをかすかに弾いた。
くるくる、くるくる。
光と影が、回転する金属の中で交差する。
やがて、金属音が響いた。
落ちたのは……表だった。
東條が拾い上げたコインを、黙って見せる。
「オレが、裏へ行く」
国見は一瞬だけ笑った。
寂しげで、しかしどこか嬉しそうな笑みだった。
「じゃあ、俺が……この街の“表”になる」
ホストと裏社会をつなぐ“掟”は、やがて絆になる
握手はしなかった。
涙も流さなかった。
けれども、その夜交わした誓いは、
誰にも破ることのできない“掟”として二人を縛り続ける。
その夜、団地の階段で二人は別れた。
数年後――
国見は歌舞伎町の片隅で、バーテンダーとして日銭を稼いでいた。
一方、東條は、すでに“ある組織”の構成員となっていた。
そして、ホストと裏社会というまったく異なる道を選んだ彼らの“誓い”は、
やがて誰も逆らえない“掟”となり、この街を変えていく。
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