同伴という名の孤独 第8話

同伴という名の孤独 “数字”の前に、人間関係があるはずだった

同伴という名の孤独

「今日、誰と同伴?」
ゴウの問いかけに、ユウトは一瞬だけ沈黙した。
「……いません」

それは、ただの報告だったはずなのに、
まるで“敗北宣言”のように聞こえた。

ホスト 同伴 孤独――その言葉は、
今日のユウトの心を、静かに締めつけていた。


笑顔の裏にある、すれ違いの温度差

ゴウは同伴を終え、笑顔のまま帰ってきた。
「楽しかったよ。やっぱ、話が弾むと時間が早いな」

その横顔を見て、ユウトは何も言えなかった。
なぜなら、ゴウの笑顔には孤独の気配すらない。

けれど、その完璧さが、
逆にユウトを“自分だけ取り残されたような気持ち”にさせる。


その席に、自分の名前はなかった

店の控室には、同伴リストが貼り出されていた。
ユウトの名前は、どこにもなかった。
たしかに、今日も連絡を送った。

けれど返ってきたのは、
「ごめん、また今度ね」の一言だけだった。

つまり、それが今の自分の“立ち位置”なのだ。


同伴という名の孤独――売上のための同伴、それとも…

「同伴って、なんなんでしょうね」
ぼそっと呟いたユウトに、朝比奈が答えた。

「売上のためでしょ。……でもさ、売上だけだったら、
こんなに疲れたりしないよ」

そして、続けた。
「本音言うと、たまにめっちゃ孤独だよ。
なんでかって言うと、“選ばれてる”はずなのに、
“本当の自分”は選ばれてない気がするからさ」


同伴という名の“仮面”

ユウトは、その言葉に救われた。
**だが同時に、**不思議な痛みも覚えた。

それは、ゴウにも朝比奈にも、
“同伴”というステージで演じる仮面の自分があるということだ。

だからこそ、孤独になる。
指名があっても、LINEが鳴っても、
本当に“そこに自分がいる”とは限らないのだ。


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ユウトはあることに気づく。
「名前を、誰も呼んでくれない」――その現実は、売れない以上に、胸に刺さる。

さらにその他の連載作品をご紹介します。

同伴という名の孤独――それでもホストとして生きていく場所を探すなら

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