ホスト 成功 孤独 ―俺じゃ、届かないのかもしれない【RD 第12話】

ホスト 成功 孤独 ―俺じゃ、届かないのかもしれない:第12話

ホスト 成功 孤独の裏にある孤独

営業が終わり、店内に静けさが戻る頃――
昇大の名前が、今月のNo.1として堂々と貼り出された。

当然ながら、拍手と賞賛の声が沸き起こる。
けれど、その輪の中心にいたはずの彼の表情は、どこか虚ろだった。

「弟くん、今日は遅れて来るってさ」
そんな一言が耳に届いたときも、昇大はただ小さくうなずくだけだった。

たとえホストとして“成功”を掴んでも、
隣にいるはずの弟がいない夜は、どういうわけか冷え冷えとしていた。
つまり、手に入れた栄光は、心を満たすには足りなかったのだ。


■ 成功しても埋まらない、ホストの孤独

その夜、龍斗はふと立ち寄った裏通りのコンビニ前で、カズとばったり出くわした。
一時はNo.1の座に君臨していた伝説の男。
とはいえ、今もホストを続けながら、夜の裏側にも精通している存在だった。

「売れたヤツって、案外孤独なんだよ。どれだけ華やかに見えてもな」
「支える側のほうが、実はずっとキツいかもしれない」

そんなカズの言葉に、龍斗は苦笑いを返す。

「いや、もう支えてませんよ。兄貴、最近は勝手に走ってるだけなんで」

そう答えたとき、カズの表情がほんの少しだけ曇った。
というのも、その言葉には――寂しさよりも、あきらめが滲んでいたからだ。

■ 孤独な成功者と、置いていかれる弟

昇大は、翌日に控えたイベントの打ち合わせに追われていた。
「来月の誕生日、ちょっと派手にいこうと思ってさ。
だからこそ、お前にも手を貸してほしいんだよ」

そう話しかけたとき、ようやく帰ってきた龍斗は目をそらしたままだった。
そして、少し間を置いてから――

「……考えときます」

その一言は、驚くほどあっさりしていた。
けれど、昇大にとっては決して軽く流せるものではなかった。
むしろ、“線を引かれた”ような感覚すら残った。

つまり、兄弟の間にあったはずの温度が、ほんの少し冷えてしまったのだ。

■ 成功した兄に届かなくなった背中

昇大は、翌日に控えたイベントの段取りに追われていた。
「来月の誕生日、ちょっと派手にやりたいと思ってさ。
それだけに、お前にも力を貸してほしいんだ」

そう声をかけたとき、ちょうど龍斗が店に戻ってきた。
とはいえ、その目は兄と交わることなく、壁の向こうを見ていた。

そして、ほんのわずかな間を置いて――

「……考えときます」

たった一言。
にもかかわらず、それは昇大の胸に冷たいしこりを残した。
けれど、彼は何も言い返さなかった。
むしろ、その言葉に込められた距離感のほうが、痛みを深くしていた。

つまり、かつて自然に繋がっていた兄弟の温度が、音もなく離れ始めていたのだ。

さらにその他の連載作品をご紹介します。

ホストで成功しても孤独にならないようにエリアは要チェックしてください!

▶︎最後に入店前に知っておきたいこと、全部まとめました!ホスト体験入店【完全版】はこちらから

上部へスクロール