売掛トラブル“崩壊”は、ある日突然に 第13話

ホスト 売掛 トラブル

ホスト 売掛 トラブル SNSを揺らす夜

「ねえ、これ……見た?」

スタッフの一人が差し出したスマホの画面には、匿名アカウントによる投稿が並んでいた。

《ホストクラブで“売掛の強要”を受けた》《ウソの接客で通された。信じてたのに》《この業界、ほんとに怖い》

最初は、誰も信じようとはしなかった。しかし、投稿は次第に拡散されていった。しかも、その内容は日ごとに具体性を増し、やがて“店名”を連想させるタグまでつけられ始めた。

それどころか、スクリーンショットや会話履歴といった“証拠”のような投稿も現れ、事態は一気に深刻化していく。

つまり、それはまるで、沈黙を破った告発のように広がっていったのだ。



指名数の裏に潜む“虚構”という名の爆弾

指名の数、それはホストにとって誇りであり、同時に武器でもある。
だがその数字が、実態を伴わぬ“虚構”だとしたら?

「売掛でも、まずは“数字”が必要なんだよ」
そう言っていた幹部の姿が、今では虚しく見える。

たとえ意図がなかったとしても、“売上の演出”は、結果として誰かを傷つけることがある。
その代償が、いま“トラブル”という形で、SNS上に浮かび上がってきたのだ。


売掛トラブルがもたらす信頼の崩壊

「信じてたのに」──この言葉ほど、重いものはない。

売掛が焦げつくこともある。だが、それを“強要”と捉えられた時点で、信頼は崩れる。
しかも、それが表に出た時、影響を受けるのは当人だけではない。
新人も、幹部も、全員が“同じ箱”にいるのだ。

「またあの店か」
そんな風評が立てば、店は一瞬で“選ばれない場所”に転落する。


真実を語る者と、沈黙する者

「このままだと、まずいよな……」
ユウトがそうつぶやいた時、隣で朝比奈は言った。

「本当の問題は、“嘘”をついたことじゃない。“嘘がバレた”ことなんだ」

誰が投稿したのか。なぜ今なのか。
誰かの怨嗟か、それとも事実か──その真相は、まだ誰にもわからない。

だが一つだけ確かなのは、
“崩壊”は、いつも静かに始まり、ある日突然、表に出る。


次回予告:「ホスト 内部告発」

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