
ホスト 信念 試練は、幹部会議の場で始まった。
テーブルの上には、修正済みの帳簿と監査報告。だが、それ以上に求められていたのは「言葉」だった。
「国見。お前はなぜ幹部に相応しいと思う?」
静寂を破った問いに、視線が一斉に彼に突き刺さる。派閥の幹部たちは冷ややかに見守り、ユウトやナオキは固唾を呑んでいた。
国見は深く息を吸い、まっすぐ前を見据えた。
「俺は……数字を守るためにここにいるんじゃない。人を守るために、この席に座りたい」
誰もが一瞬、黙り込んだ。
派閥が数字を武器に争う場で、あえて「人」を掲げるその言葉。
それこそが、彼に課された信念の試練だった。
東條の影 ― 支えか、試練か
会議室の奥、窓の外にうっすら差し込む影があった。
東條は最後列から、一言も発しなかった。
ただ、その影は確かに国見を背中から押していた。
「助けてはやらない。……自分で立て」
そう告げるように、彼は黙って座っていた。
東條の眼差しは冷たくもあり、しかし揺るぎない信頼を帯びていた。
それは庇護ではなく、背中を預ける仲間への姿勢だった。
国見は小さく頷き、再び口を開く。
「もし俺が間違えば、責任は全部俺が取る。……でも、お客様を裏切る真似だけは絶対にしない」
その声は震えてはいなかった。
静かだが、確かに響いていた。
試練に晒される信念
朝比奈派の幹部が口を開いた。
「きれいごとだ。結局は売上がすべてだろう?」
国見は否定しなかった。
「売上は大切です。でも、それは“信頼”があってこそ。……信頼を失ったら、数字も続かない」
その返答に、議場の空気が変わった。
若手の視線が、確かに彼に集まっていた。
誰もが思っていたが口にできなかった本音。
それを国見は、派閥に囲まれたこの場で堂々と突きつけたのだ。
ホスト 信念 試練の結末
会議は長引かなかった。
田村が短く告げる。
「結論はすぐに出る。……今日はそれで十分だ」
会議室を後にした国見の耳に、背後から低い声が届いた。
「よく言ったな」
振り返ると、そこには東條の影。
言葉は短い。けれど、その一言にすべてが詰まっていた。
ホスト 信念 試練は終わったわけではない。
むしろ、ここから始まる。
だが、この夜を越えたことで、国見は確かに一歩を踏み出した。
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