
ホスト 幹部 粛清という名の正義 「これは“粛清”ではない。浄化だ。」
黒服の男がそう告げると、ひとりの幹部候補が静かに席を立った。その背中に、誰も声をかけることはなかった。
幹部昇格の最終選抜が始まって以降、店内の空気は一変した。というのも、リュウガとユウトという二大巨頭の対決に注目が集まり、日常の会話すらどこか張りつめていたからだ。しかも、候補者の中から誰かが消えていくたびに、「次は誰か」と囁かれる。その噂は瞬く間に広がり、やがてフロア全体を覆う不安の種となっていった。
進む幹部粛清
──だが、それは偶然ではなかった。
朝比奈の手によって仕組まれた“幹部 粛清”は、静かに進んでいた。
名ばかりの「内部査察」は、レン派のホストを次々に標的にした。
売掛の遅延、無断欠勤、SNSでの軽率な投稿。
小さなミスさえも、粛清の理由には十分だった。
それでも誰も、正面から抗議はできない。
なぜなら、“正義”を盾にしているからだ。
「秩序を守るためには、血が流れることもある」──
その理屈が、誰かの未来を奪っていた。
粛清に潜む“恐怖”と“覚悟”
リュウガの幹部昇格を既定路線とする空気の中で、
ユウトは声を潜めながらも、じわじわと支持を広げていた。
ただ、表には出せない。
なぜなら、粛清の標的になる可能性があるからだ。
「幹部会に異を唱えることは、クーデターと同じ」
その言葉が、ホストたちを沈黙させる。
見えない監視の網が、組織全体に張り巡らされていた。
一方、レンは──
あくまで中立の立場を貫いていたが、
粛清によって追い詰められる仲間たちを前に、
ついに“ある決断”を口にする。
「……これ以上、見て見ぬふりはできない」
正論を口にするだけでは、何も変わらない。
その現実を、誰よりも理解しているのはレンだった。
闇と対峙する者たちへ
ホスト 幹部 粛清──
それは、誰が主導し、誰が守られるべきかを明確にするための“踏み絵”だった。
だが、その裏で、別の闘いも始まっていた。
「もう一人、動いている」
ユウトの元に届けられた匿名のメモには、
朝比奈の直属部隊とは異なる“第三勢力”の存在が示唆されていた。
その人物は、粛清の流れにすら介入せず、
あくまで「次の時代」を見据えて動いているという。
混乱を制するのは、力か、信念か──。
幹部の座をめぐる争いは、単なる昇格レースではない。
それは、“組織の魂”を誰が握るのかという、根源的な問いに他ならなかった。
次回、ついにリュウガ vs ユウトの直接対決が始まる。
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