
ホスト 幹部の資質に揺れる誘い。営業後のミーティングルーム。店長が唐突に切り出した。
「今度の人事で、お前にも“役職”の打診があるらしいぞ。」
その言葉に、国見は一瞬返事に詰まった。
というのも、それはまったく予想していなかった方向からの球だったからだ。
「……なんで俺なんですか。」
問い返した声には、驚きと疑念が混じっていた。
それに対して、相手は静かに続ける。
「もちろん、上の承認が前提だけどな。
とはいえ、お前みたいな若手が上がるには、タイミングも大事だろ?」
つまり、それはただの期待ではなかった。
むしろ、昇格という名の“踏み絵”だった。
人気、実力、そして信頼――
どの指標でも疑いを抱かれている今の国見にとって、
幹部就任は“栄誉”ではなく、あくまで“試練”として立ちはだかっていた。
ホスト 幹部の資質を巡る裏の読み合い
その夜、田村は別のテーブルで部下に耳打ちしていた。
「国見が上がれば、連中は必ず動く。わかりやすい“餌”だからな」
昇格情報は、すでに“対立側”にも流されていた。 国見を潰すには、立場を与えてから――それが常套手段。
「でも、やらせますか?」
「当然。……あの子は、守られてるだけの駒じゃない」
その言葉に、部下の表情が変わる。 東條ではない。田村の口から“意思”が出ることは滅多にない。
ホスト 幹部の資質を証明する選択
翌朝、国見は一人で店の掃除をしていた。 指名も売上も、自力で立て直す覚悟はある。だが――
「逃げる理由には、ならない」
そう呟いて、ホワイトボードに書かれた“新体制図”を見つめた。
そこには仮の肩書きがあった。 《幹部補佐:国見》
それが、彼の選んだ立場だった。
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