ホスト 売掛 客にかけた電話【絆 第12話】

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ホスト 売掛 客

ホスト 売掛 客に向き合う夜

「電話、かけろよ。」

その一言が背後から放たれた瞬間、国見の指先がわずかに震えた。
というのも、その声には感情の起伏が一切なく、ただ冷たく命令を突きつけるような圧があったからだ。

さらに視線を向ければ、事務所の奥――帳簿が広げられたテーブルの前に立つ店長が見える。
その目は、どこまでも静かで、とはいえ容赦はなかった。
つまり、そこには「情」など入り込む余地はない。
むしろ、業務の一環として“処理”を促すような、そんな無慈悲さだけが漂っていた。

売掛がある客と三週間連絡が取れないその時担当ホストは?

「この客、三週間連絡ない。――担当としての責任、どう取る?」

その問いかけには、逃げ道がなかった。
というのも、店長の視線は逸らしたくなるほど真っ直ぐで、だからこそ国見の胸を射抜いたのだ。

売掛――つまり、指名した客がツケで支払い、後日払う約束の金である。
しかし、期限が過ぎれば話は別だ。
その瞬間から、それは“未収金”となり、結果としてホスト本人にのしかかる。
たとえ客が失踪しても、また何らかの事情で支払い不能となっても、だ。
したがって、現実的には“誰を指名させたか”が、そのままホスト自身のリスクになる。

「……わかってます」

声に出すのが精一杯だった。
震える手でスマホを取り出し、画面を開く。
そこには、笑顔で写真に写る彼女のLINEアイコンがあった。

「あの人から、夢をもらった。」

――かつて、昇太がそう語った言葉が、不意に胸に浮かんだ。
それは希望だった。だからこそ、あのときの俺は前を向けたのだ。

だが今は違う。
というのも、今の俺にできるのは、夢を与えることではない。
むしろ、夢の残骸に値札をつけて、現実を請求することだけだ。

つまり、それが“売掛”というシステムの冷たさであり、
そして、それでも立ち続けるしかないホストの現実だった。

裏社会もまた、ホスト 売掛 客に“処理”を始めていた

一方その頃、裏社会の一角――東條は渡会と共に、あるビルの非常階段を静かに上がっていた。
というのも、今夜の目的は“制裁”ではなく、“確認”だったからだ。

「この女、売掛400。飛んでる。……どうすんだ?」

渡会が口元をわずかに歪め、低く呟く。
“400”――すなわち40万円。ホストクラブで夜を積み重ねた末に、約束されたはずの金は、煙のように消えた。

「処理は静かに。今回は、見せしめじゃない。」

東條がそう答えたとき、その声は淡々としていた。
しかし、その横顔はどこか遠くを見ていた。
つまり、目の前の“案件”に心を動かしていたのではなく、
もっと別の何か――あるいは、過去――を見つめているようにも感じられた。

「病院はどこだ……」

昔、助けられなかった人の命を思い出す。

あの頃は、まだ何かを“救える”と信じていた。

今は、ただ“秩序”を守る側にいるだけだ。

階段の先に見えたのは、古びた扉。
東條はノックせずに、その前で立ち止まった。

売掛 客との“つながり”が試されるホスト

国見は、結局電話をかけた。
呼び出し音の向こうに、かつて何度も自分の名前を呼んでくれた声がある気がした。

「……出ろよ」

画面を見つめながら、心の中で叫ぶ。

……だが、応答はなかった。

静かな事務所に、ため息だけが響く。

「追うかどうかは、任せる」

店長はそう言って背を向けた。

“売上”ではなく“回収”に追われる夜。
夢を売るはずのホストが、“現実”に引き戻される一瞬だった。

そしてその頃、東條もまた、無言のまま古びたドアを開けていた。

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