
はじめての「ホストメイク」に挑むジン
体験入店の朝。スーツに着替えたジンは、初めて袖を通したネイビーのジャケットにまだ馴染めていなかった。
先輩ホストの一言が、次の試練を告げる。
「なかなか似合ってんじゃん。次、ヘアメイクやるか」
戸惑いながらも「ヘアメイクですか?」と応じたジンに、先輩は笑いながら女性スタッフを呼び寄せた。
「この子、お願いね」
登場したのは店専属のヘアメイク。ホストクラブでは、プロの美容師が常駐しており、体入者にも本格的な「ホストメイク」が施されるのが一般的だ。しかも、場合によっては無料で対応してくれる店舗も多い。
化粧なんてわからない──戸惑うホストメイク
「分かりました、任せてください」
明るく爽やかな声に、ジンは少し安心した。鏡の前に通され、椅子に腰を下ろすと、手早く準備が始まる。
「まずは目のクマと肌のくすみを隠すために、コンシーラーを少し塗りますね」
(えっ、そこから始まるのか……)
次に塗られたのは、化粧下地。肌のトーンが少し明るくなると、ジンは心の中で思わずつぶやいた。
(キレイな肌になってきた……)
だが、その後も次々と施される工程に、彼の表情はこわばっていく。
ノーズシャドウ?フェイスパウダー?終わりが見えない
「次はファンデーション、その後はフェイスパウダーとノーズシャドーしますね」
「えっ!?」と内心で驚くジン。
そして極めつけは──
「最後は顔を立体的にするため、フェイスシャドーもしていきますね!」
(まだ顔にッ!?何か塗るの!?もういいよ!!!)
まさか、ここまで本格的な工程を踏むとは思っていなかったジン。化粧など一度もしたことがなかった彼にとって、「ホストメイク」は想像以上の世界だった。
ホストにとってメイクは武装の一部
とはいえ、ホストにとってメイクは欠かせない要素である。清潔感を保ち、自信を持って接客に臨むための“戦闘服”のようなものなのだ。
最近では、化粧水のあとにBBクリームだけで済ませるホストも増えてきてはいるが、年齢を重ねるとそうもいかなくなる。「じじホス」と呼ばれるベテラン勢は、営業中にメイクがよれないよう、ミストでのメンテナンスにも気を配る。
たとえ面倒に感じても、メイクによって自信が芽生えるのは事実。ジンのような新人ホストにとって、この“変身の時間”は、ホストとしての第一歩を踏み出す重要な儀式だった。
この話の原作4コマは
ホスト漫画ドットコム ホストな日々
「第18話 ホストメイク」 に掲載中です!
