ホスト体入とヘアメイク 第17話

ホスト体入とヘアメイク

スーツの次は──「ホスト体入とヘアメイク」

初めてのホスト体験入店。ジンはまず、スーツに袖を通し、着慣れない細身のジャケットに少し戸惑っていた。

「なかなか似合ってんじゃん。じゃあ、次はヘアメイクやるか」

そう言って声をかけてきたのは、店の先輩ホストだった。落ち着いた態度の彼は、あくまで自然体で、威圧感のない雰囲気をまとっている。だからこそ、ジンは少しだけ安心できたのかもしれない。

もっとも、ジャケットに対する違和感は拭えなかった。「ちょっと大きいな」と内心で思いつつも、ジンは笑顔で応じた。

「ヘアメイク……ですか?」

すると、先輩はすぐさまスタッフに声をかけた。

「この子、お願いね」

その呼びかけに応じて、ひとりの女性スタッフがパウダールームの奥から現れた。明るい笑顔を浮かべたその人こそ、プロのヘアメイクだった。

実は、ホストクラブの多くでは専属の美容師が在籍しており、体験入店の段階でも本番と同じように身支度が整えられる。したがって、ヘアメイクは単なる“見た目を整える工程”ではない。むしろ、ホストとしての第一歩に必要不可欠なプロセスなのだ。

ヘアメイク開始。安心感と戸惑いの中でホスト体入

「分かりました、任せてください」

その明るい笑顔に、ジンは思わずホッとする。とはいえ、緊張が完全に解けたわけではない。だが、少し安心したのは確かだった。

やがて彼は鏡の前に案内され、静かに椅子に腰を下ろす。するとすぐに、彼女の手にはドライヤーとアイロン、さらに化粧ポーチが握られていた。

メイクの希望を聞かれて…

「では、先にメイクしますが、どんな風にしますか?」

いきなりそう尋ねられ、ジンは一瞬固まった。まさか自分に“好みのメイク”を聞かれるとは、予想していなかったのだ。

「えっと……お任せします」

なんとか返したものの、頭の中はパニックに近い。

(──メイクってどんな風にって言われても、俺、今まで化粧なんかしたことないし……どう答えればいいんだよ)

身を委ねるという選択

だからこそ、ジンはあえて何も言わず、身を委ねるという選択をした。結果的には、それが正解だったのかもしれない。


メイクで変わる自分。雰囲気イケメンの第一歩

実は、ホストの現場ではヘアメイクはほぼ必須だ。化粧とセットで“雰囲気イケメン”を演出できるかどうかは、第一印象に直結する。

体験入店であっても、ヘアメイクは丁寧に施される。プロに頼むことで肌の印象も良くなり、自信も自然と芽生える。これは単なる見た目の変化ではなく、心持ちにも作用する。

もちろん、店によってヘアメイクの方法も異なる。専属美容師がいる店では無料〜2000円程度で対応してもらえる場合もあるし、いない場合は近隣の美容室に外注することもある。中には自前のアイロンと化粧品でセルフメイクをする器用なホストも。

ジンのように初心者で何も分からなくても──「任せる」だけで、それなりに仕上げてもらえるのが今のホストクラブの体制だ。


初めてでも安心できる“変身”の時間

鏡に映った自分は、どこか別人のようだった。目元がほんのり強調され、髪はふんわりと立ち上がり、肌のトーンも明るく見える。

(……俺、ちょっとホストっぽくなってきたかも?)

恥ずかしさと不安を乗り越えて、ジンは静かに頷いた。

化粧は、変身じゃない。ホストになる「準備」なのだ。

この話の原作4コマは
ホスト漫画ドットコム ホストな日々

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