ホストの住んでるとこ 第14話

ホストの住んでるとこ って近いはずなのに???

ホストの住んでるとこ

「今日は本当にごめんね。遅れて」

そう言って、彼は少し申し訳なさそうな笑顔を浮かべた。
最近、彼との待ち合わせはほぼ毎回“遅刻スタート”だったけど、
それでもこうして笑って謝られると、つい許してしまう自分がいた。

「もういいよ。その代わり、次はちゃんとご飯行こうね

言葉にすると、ちょっとだけすっきりする。
それでも内心、モヤっとする気持ちはまだ少し残っていた。


「距離の問題じゃない、かもしれないけど」

「正直言うと、私も家が遠いから、友達との約束とかでもよく遅刻しちゃうんだよね

それは本音だった。
私は郊外に住んでいて、歌舞伎町までは少なくとも1時間以上かかる。
だけど、それでも遅れないように頑張っているつもりだ。

だから、ふと気になった。

「そういえば、○○くんはどこに住んでるの?」

たまには私も、彼に質問してみたかったのかもしれない。
だって、私ばかり話してる気がしていたから。


「ホストはみんな近くに住んでると思ってた」

「え?おれ?新宿だけど?」

彼はなんでもないように答えた。
まるで「コンビニどこ?」と聞かれたときみたいな軽さで。

「ふーん、そう……」

私も笑顔で返したけれど、
その瞬間、心の中ではめちゃくちゃツッコミを入れていた。

待ち合わせ新宿で、住んでるのも新宿で……それで遅刻!?

思わずスマホを握る手に力が入る。
なにがどうなったら、ここまで毎回遅れて来られるんだろう。


「ホストの住んでるとこ事情」

ちなみに、ホストの住んでる場所は本当にさまざまだ。
お店のすぐ近くにある“寮”に住んでいる人もいれば、
家賃補助で借りたマンションだったり、なかには実家から通っているホストもいる。

中には「実家は地方だけど、営業のある週末だけ新宿のカプセルホテルを転々としてる」なんて人も。
つまり、“住んでいる”という言葉すら曖昧な世界なのだ。

それでも、新宿在住で遅刻って。
こっちは1時間以上かけて、わざわざ電車で来てるのに……。

それなのに彼は、軽く笑って謝るだけ。


「それでも、私はまた来る」

でもきっと、また私は来てしまう。
遠くても、寒くても、暑くても。

わざわざ時間とお金をかけてまで、この街に足を運ぶ。
彼に会うために。

だからこそ、自分でも思う。私はドMなんだろうなって。

自虐なのか、開き直りなのかはもう分からない。
だけど、そうじゃなきゃこんな生活は続けられない。


この話の原作4コマは
ホスト漫画ドットコム「ホス狂い第14話「ホストの住んでるとこ」 に掲載中!

第15話へ続く

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