
ホスト初心者の評価とは?「評価されてる、って思うだけで、全部ズレるんだよな」
国見は、最近になってやっとその意味がわかってきた。
接客中、誰かの視線を感じるたびに、手元が狂う。
笑顔も作り笑いになり、声も裏返る。
──ただ座って、隣で笑ってるだけ。
それすらも「評価の対象」なのだと、気づいた瞬間から、何かが狂い始める。
ホストの初心者が評価にさらされる“空気”の重さ
先輩が笑えば、合わせて笑う。
先輩が話せば、相槌を打つ。
だが、たった一瞬のズレだけで、客が冷めた顔をすることがある。
それを見ていた先輩が、無言でタバコを吸い始める。
──それもまた「評価」なのだ。
「あの子、笑顔が不自然ですね」
休憩中、幹部がポツリとつぶやいた。
自分のことではないとわかっていても、胸がチクリと痛む。
とはいえ、誰にも頼ることはできない。
「自分が選んだ道だろ」
かすかに聞こえたその声に、国見は背筋を伸ばした。
幹部席の奥。
そこには、普段表に出てこない黒服の男がいた。
周囲の誰も、彼の指示に逆らわない。
そして彼は、あの日の“面接官”だった。
(あれは、ただの店の責任者じゃなかったんだ──)
東條の影が、この店の空気に溶け込んでいる。
ホスト初心者の評価から逃げずに立ち向かう
「先輩に嫌われるのが怖いなら、客を取ることだ」
帰り際、先輩がぽつりと漏らした言葉が、胸に刺さった。
つまり、評価とは「売上」であり「指名」であり「存在感」だ。
──だが、それを得るには“空気を読む力”が必要だった。
つまり、技術よりも「目に見えない感覚」が試されている。
「評価されるのが怖いのは、期待されてる証拠だよ」
翌朝、LINEでそう送ってきたのは、唯一連絡を取り合っている新人だった。
──そうだ、自分はまだ終わっていない。
評価に怯えて逃げるくらいなら、もちろん堂々と戦ってみせる。
今日もまた、夜が始まる。
