
ホストからご飯の誘い、そう、その電話は突然だった「もしもし、どうしたの?」珍しくホストから電話がかかってきた。なぜなら、夜の街ではLINEの方が主流だから、わざわざ電話をかけてくる時点で、ちょっと特別な気がした。
「今日、暇ならご飯行かない?」
少し砕けた声。とはいえホストからご飯の誘い、嬉しいような怖いような。
しかし、気のせいか、なんとなく軽い。
しかし、一方で、私は内心ちょっとだけ浮かれていた。
「ご飯だけならいいよ」
とりあえず、条件付きで返事をする。なぜなら、その言い方が、ちょっとでも“遊びじゃない”と伝わればいいと思ったから。
「じゃ、ドンキ前で4時に待ち合わせで!」
彼はそう言って、電話を切った。
ホストからご飯の誘い そして約束の時間が過ぎて
そう、4時前には着いていた。
ドンキの前、どこにでもあるような待ち合わせスポット。
だけど――
4時を過ぎても来ない。
そして、30分過ぎても、連絡なし。
さらに、1時間が経ち、さすがに不安がよぎる。
そして、2時間後。
ホスト、登場。
「ごめ~ん、お待たせ!2時間も遅刻しちゃって!」
彼は悪びれもせず、いつもの笑顔で手を振りながら現れた。
「……」
なんて返せばいいかわからない。
連絡もなく2時間遅刻。けれど、怒る気力ももうない。
「いや〜、起きたらもう待ち合わせの時間すぎてて、びっくりしちゃった!かなり寝ちゃったよ〜」
彼は笑いながら言った。
だけど私は、すぐにツッコみたくなった。
ヘアメイクばっちり
「……寝過ごしたわりに、ヘアメイクばっちりだね」
思わず口から出た本音。
というか、それしか言えなかった。
心の中では叫んでいた。
(遅刻してきたのにヘアやメイクがバッチリって……女か!!)
彼の肌はつるっとしていて、髪もセットされ、目元もキラキラしていた。
ホストの世界ではこれが“普通”だとしても――
やっぱりモヤモヤは消えない。
💡ホスト用語ワンポイント
ヘアメイク:ホストは、出勤前に髪型とメイクを整えることが多く、これを「ヘアメイク」と呼びます。
お店専属の美容師さんや提携サロンで仕上げてもらい、化粧をして肌がきれいに見えることでイケメン度が急上昇。
中には濃すぎて“夜の歌舞伎”みたいな人もいますが、基本的には第一印象の武器です。
ちなみに、ヘアメイク代は無料の店もあれば、給料から500~2000円ほど引かれるシステムのところもあります。
「化粧してる女の子って可愛いけど、すっぴんは別人でしょ?あれと一緒(笑)」
とは、あるホスト談。
このエピソードの原作漫画はこちら!
第12話 ホストからご飯の誘い ぜひご覧ください。
第13話へ続く
