夢を持たないホスト【NB 第7話】

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夢を持たないホスト

夢を持たないホスト、店内の喧騒が遠ざかる中、そう呼ばれている男がいる。ハルキは休憩室でひとりの男と話していた。
彼の名はカズ。ナンバー表には載っていない、しかし常連客からの指名は安定しているベテランホストだ。

「カズさんって、将来どうしたいんですか?」
ふとした会話の流れで、ハルキは思わずそう尋ねた。

だがカズは、笑うことなく返す。

「……俺、夢とか持ってないよ」

夢を持たない、語らないホストの理由とは?

多くのホストは「独立したい」「店を持ちたい」など、何かしらの夢を口にする。
しかし、それは自分を“輝かせる”ための道具であり、客を惹きつけるための材料でもある。

だが、カズは違った。

「夢を語っても、叶わなきゃ恥になるだけだしさ」
「それに、夢があるように見せてたほうがウケるって、もう気づいてるでしょ?」

確かに――と、ハルキは思う。
夢を語るホストは、応援されやすい。
だが、もしそれが嘘だったら?

本音と演技の境界線

「夢を語れない俺は、ホストとしてダメかな?」とカズが苦笑する。
だがハルキは、すぐに首を振った。

「そんな事ないです!むしろ……本音で話してくれる分、僕は安心します」

夢を見ないホスト――つまりそれは、嘘をつかないホストかもしれない。
だからこそ、彼の言葉は妙に沁みた。

名前のない夜、夢を持たないホスト

その後、ハルキは店内に戻る。
煌びやかな笑顔と、盛られた言葉が飛び交う世界に。

だがその中で、カズのように「何も語らないホスト」がいることを、彼は忘れなかった。

夢を見ないからこそ、今夜も変わらぬ笑顔で接客をする。
その姿勢こそが、実は最も“リアルなホスト”なのかもしれない――と、ハルキはふと思った。夢を見ない

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