
ホストの名刺と顔が覚えられない!-第3話はホスト漫画ホス狂いの「ホストの名刺と顔」のノベライズ小説版です。
初回でホストの名刺と顔はなかなか覚えられないです。「はじめまして。これ、名刺です」初めて足を踏み入れたホストクラブ。煌びやかな内装と、どこか緊張した面持ちのホストたち。席に着くと、早速、一人目のホストが丁寧に名刺を差し出してきた。「はじめまして。宜しくお願いします」と、私もぎこちなく頭を下げる。
ホスト名刺と顔が覚えられない!からの怒涛の如く
そう、そこからが怒涛の如くだった。「こんにちは〜」「どーも、よろしくー」「よろしくー、座らせてくださいー」「はじめまして」「よろしくー、名刺どうぞー」。次から次へと、違う顔、違う声のホストが入れ替わり立ち代わり私の席にやってきて、同じように名刺をくれる。キラキラとしたホスト名が印刷された小さな紙片が、あっという間に私の手元に積み上がっていく。
「誰が誰だか全く名前が覚えられない」
心の中で盛大に叫んだ。初回、つまり初めてお店に来た客には、多くのホストが挨拶に来るのが通例らしい。名刺交換はその儀式のようなものなのだろう。しかし、正直なところ、短時間でこれだけの人数と顔、そして名前を一致させるのは至難の業だ。
もちろん、中には強烈なインパクトを残すホストもいる。奇抜な名前だったり、ずば抜けたイケメンだったりすれば、脳裏に焼き付くように覚えられるのだが、大半は、申し訳ないけれど、名刺の束の中に埋もれてしまう。
ホストに名刺をもらっても顔が覚えられない 毎回が新しい出会いのよう!
それでも、毎回が新しい出会いのようで、それはそれで楽しい。ホストクラブは、無理をして相手の名前を必死に覚えなくてもいい場所なのかもしれない。その場の雰囲気を楽しみ、会話を楽しむ。それが一番大切なことなのだろう。
ただ、次回来店した際に、「あれ?覚えてないでしょ?」と、涼しい顔で言われると、内心ドキッとする。それでも、「ごめんなさい!」と笑って誤魔化すのも、また一つのコミュニケーションであり、面白い瞬間だと思っている。
それに、ホストだって毎晩たくさんの女の子と出会っているのだから、客の名前を完璧に覚えているわけではないだろう。お互い様なのかもしれない。だからこそ、この刹那的な出会いを、私は楽しんでいるのだ。
この話をぜひ原作漫画で読んでください!!ホストの名刺と顔 第3話