
ホスト 裏金 幹部 「これでお前も、幹部だ」
そう言って差し出された白封筒は、分厚かった。
そして、リュウガが幹部候補として急浮上したのは、この“裏の報酬”が動いた直後だった。
かつてのホスト界は、単純に売上だけで昇格が決まる世界でした。
しかし今や、裏で誰と繋がり、しかもどんな“金”を動かすかが勝敗を決めるのです。
ユウトはもちろん、それを知っていた。
けれども、敢えて目をつむっていた。
なぜなら、実は彼自身がその“恩恵”を受けていることに、薄々気づいていたからです。
幹部昇格戦の裏で──リストにない名前
幹部会のリストに、あるはずのない名前があった。
それは、売上も実力もまだ届いていない新人ホストだった。
しかし、推薦者の欄に目をやると──驚くべきことに業界トップの名前が並んでいた。
しかも、その人物は過去に幹部育成を厳しく管理してきたはずの大御所。
だからこそ、ユウトは胸の奥に冷たいものを感じた。
「……これは、ただの偶然じゃない」
「なんでこの子が……?」
レンはその名を見つめながら、違和感に眉をひそめた。
しかし、その夜。
店の奥にあるロッカールームで、彼は偶然そのホストの姿を目にする。
「ごちそうさまでした」──そう深く頭を下げていた相手は、まさかのリュウガだった。
だからこそ、すべてがつながった。
昇格の裏で、“推薦”が売買されている。
その現実が、静かにレンの胸を締めつけていった。
信念か組織か──ホスト 裏金 幹部
「知ってたんだろ?」
レンの声は、いつになく低く響いた。
一方で、ユウトは口を閉ざしたまま。
ただ、ロックアイスをグラスに落とす音だけが虚しく響く。
「……この業界に、正しさだけじゃ残れない」
それが、彼なりの答えだった。
確かに、正義はときに空虚だ。
レンのように信念を貫く者は、疎まれ、やがて切られていく。
しかし──それでも。
誰かが声をあげなければ、未来は変わらない。
ホスト界の“黒い巨塔”が、動き出す
その翌朝、レンは1通の匿名文書を手に入れた。
そこには、衝撃的な記述が並んでいた。
「幹部昇格に裏金が使われている」
「推薦を金で買ったホストの実名」
「推薦者と金の流れを証明する記録」
つまり、それは内部からの告発だったのだ。
確かに、これを公にすれば組織の膿を一気に出せる。
しかし同時に、自分の立場を危うくする可能性もある。
──組織を守るか、それとも真実を貫くか。
レンの決断が、やがてこの“巨塔”を大きく揺るがすことになる。
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